白雪姫と実直な掃除夫

今夜の八王子は雪でした.
ここ数日寒いな,とは思っていたのですけど,
バイト先のお宅から一歩踏み出した瞬間,ちらりほらりと視界に舞い降り来る白い恋人ですよ.
粒は小さく半透明で,最低限雪としてのアイデンティティーを保ってはいるものの
ふとしたきっかけで,みぞれにも雨にも降格しかねない危うげな御姿.
健気だな雪たちよ.
そんな雪達と戯れながら駅前の通りを抜け,
帰宅するべく大学の内部を通り抜ける最中,また発見
賢明に降り注ぐ雪達を無情にも溶かし尽くす
例の白い薬剤を振り撒く掃除夫の姿.


後生です 後生ですからやめて下さい
一体この子達が何の罪を犯したというのですか
こんなに小さくひ弱なこの子達がいくら降ったところで
あなた達にどれ程の迷惑を掛けられるというの
ああ 可哀想なおまえ達…


薬を撒いて溶かすほどの量が降るとはとても思えないのですが
実際どれ程降るのでしょう
明日起きて一面雪景色だったら,間違いなく遅刻です.