よもやの夢日記


まず書くことは無いだろうと思っていた夢日記
夢を見てもすぐ忘れてしまう人間なのですが,今回はたまたま覚えていたので.


英国の湖水地方を想起させる,緑豊かで静とした風景.
湖畔に佇む少女一人.名前は分からない.
知ってもきっと,自分には発音出来ない名だろう.
足を滑らせたのか,はたまた腐りかけたドブ板を踏み抜いたのか
一瞬の無重力.拠り所を失い,吸い込まれるように落ちてゆく少女の身体.
重力に抗う拠り所となる足場を失ったショックは,あまりにも大きい.
落下する夢を見ることは珍しくないが
その衝撃を受けてなお夢が継続することは,極めて稀なケースであると言える.
湖の底は意外に深く,全身が水没してもまだ足が付かない.
少女は必死に手足をばたつかせ,沈み行く体を浮上させようと試みる.
溺れる者は藁をも掴むというが
この極限状態において少女が掴んだものは,一玉のキャベツ.
ア ヘッド オブ キャベツ
大きく立派なキャベツは浮き袋代わりとなり,果たして少女は一命をとりとめた.


舞台は僅かに移動して,市街地のはずれにある卸売り市場.
人々の歓声や怒号が飛び交う中,少女は野菜屋の前に立っていた.
店主が言うにはピーマンの良いのが入っているらしい.
確かに,申し分無い色艶である.
一束300(通貨単位は不明)と書かれたピーマンの籠を優雅に抱え,
少女は敵意剥き出しの形相で,店主に向かって一喝した.
そして半額の150だけを支払い,にこやかな笑顔を携え
ようやく追いついたセバスチャンを出迎える.


さあ行くわよ,セバスチャン
もう待ちきれないという表情で,傍に仕える執事に出発を促す良家の御嬢様.
行くとは,お嬢様,一体何処へで御座いましょう
決まっているじゃないの.豚を狩りに行くのよ
はあ,豚で御座いますか.何に使うので御座いましょう
あら,まだ分からないのセバスチャン.
キャベツにピーマンに豚肉といったら,ホイコーローを作るに決まっているじゃない


追記
ラッセルグラントの夢診断,と言う奴に拠ると
マイナスイメージのキーワードばかり出ているらしいです.